○労働安全衛生規則
第一編 通則 第三章 機械並びに危険物及び有害物に関する規制
第一節 機械等に関する規制
第27条(規格に適合した機械等の使用)
事業者は、法別表第2に掲げる機械等及び令第13条第3項各号に掲げる機械等については、法第42条の厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備したもので無ければ、使用してはならない。
第二編 安全基準 第五章 電気による危険の防止
第3節 停電作業
第339条(停電作業を行う場合の措置)
事業者は、電路を開路して、当該電路又はその支持物の敷設、点検、塗装等の電気工事を行うときは、当該電路を開路した後に、当該電路について、次の定める措置を講じなければならない。当該電路に近接する電路若しくはその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業又は当該電路に近接する工作物(電路の支持物を除く。以下この章において同じ。)の建設、解体、点検、修理、塗装等の作業を行う場合も同様とする。
一 開路に用いた開閉器に、作業中、施錠し、若しくは通電禁止に関する所要事項を表示し、又は監視人を置くこと。
二 回路した電路が電力ケーブル、電力コンデサー等を有する電路で、残留電荷による危険を生ずるおそれのあるものについては、安全な方法により当該残留電荷を確実に放電させること。
三 回路した電路が高圧又は特別高圧であったものについては、検電器具により停電を確認し、かつ、誤通電、他の電路との混触又は他の電路からの誘導による感電の危険を防止するため、短絡接地器具を用いて確実に短絡接地すること。
2 事業者は前項の作業中又は作業を終了した場合において、回路した電路に通電しようとするときは、あらかじめ、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのないこと及び短絡接地器具を取りはずしたことを確認した後でなければ、行ってはならない。
解釈例規
1~7 略
8 第1項第3号の「検電器具」とは、電路の電圧に応じた絶縁耐力及び検電性能を有する携帯型の検電器をいい、当該電路の電圧に応じた絶縁耐力を有する断路器操作用フック棒であって当該電路に近接させて、コロナ放電により、検電することができるもの、作業箇所に近接し、かつ、作業に際して確認することができる位置に施設された電圧計(各相間の電圧を計測できるものに限る。)等が含まれること。
第4節 活線作業及び活線近接作業
第341条(高圧活線作業)
事業者は、高圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取り扱う作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。
一 労働者に絶縁用保護具を着用させ、かつ、当該充電電路のうち労働者が現に取り扱っている部分以外の部分が、接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるものに絶縁用防具を装着すること。
二 労働者に活線作業用器具を使用させること。
三 労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱っている充電電路と電位を異にする物に、労働者の身体又は労働者が現に取り扱っている金属製の工具、材料等の導電体(以下、「身体等」という。)が接触し、又は接近することによる感電の危険を生じさせてはならない。
2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用、絶縁用防具の装着又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを着用し、装着し、又は使用しなければならない。
第342条(高圧活線近接作業)
事業者は、電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者が高圧の充電電路に接触し、又は当該充電電路に対して頭上距離が30センチメートル以内又は躯側距離若しくは足下距離が60センチメートル以内に接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければならない。ただし当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行う場合において、当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が当該充電電路に接触し、又は接近することにより感電の危険が生ずるおそれのないときは、この限りではない。
2 労働者は、前項の作業において、絶縁用防具の装着又は絶縁用保護具の着用を事業者から命じられたときは、これを装着し、又は着用しなければならない。
第343条(絶縁用防具の装着等)
事業者は、前2条の場合において、絶縁用防具の装着又は取りはずしの作業を労働者に行わせるときは、当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の使用させなければならない。
2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具を着用又は活線作業用器具若しくは活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときには、これを着用し、又は使用しなければならない。
第344条(特別高圧活線作業)
事業者は特別高圧の充電電路又はその支持がいしの点検、修理、清掃等の電気工事の作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。
一 労働者に活線作業用器具を使用させること。この場合には、身体等について、次の表の上欄に掲げる充電電路の使用電圧に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる充電電路に対する接近限界距離を保たせなければならない。
充電電路の使用電圧 (単位 キロボルト) |
充電電路に対する接近限界距離 (単位 センチメートル) |
22以下 |
20 |
22をこえ33以下 |
30 |
33をこえ66以下 |
50 |
66をこえ77以下 |
60 |
77をこえ110以下 |
90 |
110をこえ154以下 |
120 |
154をこえ187以下 |
140 |
187をこえ220以下 |
160 |
220をこえる場合 |
200 |
二 労働者に活線作業用装置を使用させること。この場合には、労働者が現に取り扱っている充電電路若しくはその支持がいしと電位を異にする物に身体等が接触し、又は接近することによる感電の危検を生じさせてはならない。
2 労働者は、前項の作業において、活線作業用器具又は活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、これを使用しなければならない。
第345条(特別高圧活線近接作業)
事業者は、電路又はその支持物(特別高圧の充電電路の支持がいしを除く。)の点検、修理、塗装、清掃等の電気工事の作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者が特別高圧の充電電路に接近することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、次の各号のいずれかに該当する措置を講じなければならない。
一 労働者に活線作業用装置を使用させること。
二 身体等について、前条第1項第1号に定める充電電路に対する接近距離を保たせなければならないこと。この場合には、当該充電電路に対する接近限界距離を保つ見やすい箇所に標識等を設け、又は監視人を置き作業を監視させること。
2 労働者は、前項の作業において、活線作業用装置の使用を事業者から命じられたときは、
これを使用しなければならない。
第346条(低圧活線作業)
事業者は、低圧の充電電路の点検、修理等当該充電電路を取り扱う作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者について感電の危険が生ずるおそれのあるときは、
労働者に絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具を使用させなければならない。
2 労働者は、前項の作業において、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具を使用を事業者から命じられたときは、これを着用し、又は使用しなければならない。
第347条(低圧活線近接作業)
事業者は、低圧の充電電路に近接する場所で電路又はその支持物の敷設、点検、修理、塗装等の電気工事の作業を行う場合において、当該作業に従事する労働者が当該充電電路に接触することにより感電の危険が生ずるおそれのあるときは、当該充電電路に絶縁用防具を装着しなければならない。ただし、当該作業に従事する労働者に絶縁用保護具を着用させて作業を行う場合において、当該絶縁用保護具を着用する身体の部分以外の部分が、当該充電電路に接触するおそれのないときは、この限りではない。
2 事業者は、前項において、絶縁用防具の装着又は取りはずしの作業を労働者に行わせるときは、当該作業に従事する労働者に、絶縁用保護具を着用させ、又は活線作業用器具を使用させなければならない。
3 労働者は、前2項の作業において、絶縁用防具の装着、絶縁用保護具の着用又は活線作業用器具の使用を事業者から命じられたときは、これを装着し、着用し、又は使用しなければならない。
第348条(絶縁用保護具等)
事業者は、次の各号に掲げる絶縁用保護具等について、それぞれの使用の目的に適応する種別、材質及び寸法のものを使用しなければならない。
一 第341条から第343条までの絶縁用保護具
二 第341条及び第342条の絶縁用防具
三 第341条及び第343条から第345条までの活線作業用装置
四 第341条、第343条及び第344条の活線作業用器具
五 第346条及び第347条の絶縁用保護具及び活線作業用器具並びに第347条の絶縁用防具
2 事業者は、前項第5号に掲げる絶縁用保護具、活線作業用器具及び絶縁用防具で、直流で750ボルト以下又は交流で300ボルト以下の充電電路に対して用いられるものにあっては、当該充電電路の電圧に応じた絶縁効力を有するものを使用しなければならない。
第五節 管理
第351条(絶縁用保護具等の定期自主検査)
事業者は、第348条第1項各号に掲げる絶縁用保護具等(同項第5号に掲げるものにあっては、交流で300ボルトを越える低圧の充電電路に対して用いられるものに限る。以下この条において同じ。)については、6ヶ月以内ごとに1回、定期に、その絶縁性能について自主検査を行わなければならない。ただし、6ヶ月を越える期間使用しない絶縁用保護具等の当該使用しない期間においては、この限りではない。
2 事業者は前項ただし書の絶縁用保護具等については、その使用を再び開始する際に、その絶縁性能については自主検査を行わなければならない。
3 事業者は、第1項又は第2項の自主検査の結果、当該絶縁用保護具等の異常を認めたときは、補修その他必要な措置を講じた後でなければ、これらを使用してはならない。
4 事業者は、第1項又は第2項の自主検査を行ったときは、次の事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。
一 検査年月日
二 検査方法
三 検査箇所
四 検査の結果
五 検査を実施した者の氏名
六 検査結果に基づいて補修等の措置を講じたときは、その内容
解釈例規
本状の絶縁性能についての定期自主検査を行う場合の耐電圧試験は、絶縁用保護具等の規格(昭和47年労働省告示第144号)に定める方法によること。ただし絶縁用保護具及び絶縁用防具の耐電圧試験の試験電圧については、次の左欄に掲げる種類に応じ、それぞれ同表の右欄に定める電圧以上とすること。
絶縁用保護具又は絶縁用防具の種類 |
電圧 |
交流の電圧が300ボルトを越え600ボルト以下である電路 について用いるもの。 |
交流 1,500ボルト |
交流の電圧が600ボルトを越え3,500ボルト以下である電 路又は直流の電圧が750ボルトを越え3,500ボルト以下で ある電路について用いるもの。 |
交流 6,000ボルト |
電圧が3,500ボルトを越える電路について用いるもの |
交流10,000ボルト |
第352条(電気機械器具等の使用前点検等)
事業者は、次の表の上欄に掲げる電気機械器具等を使用するときは、その日の使用を開始する前に当該電気機械器具等の種別に応じ、それぞれ同表の下欄に掲げる点検事項について点検し、異常を認めたときは、直ちに、補修し、又は取り換えなければならない。
電気機械器具等の種別 |
点検事項 |
略 |
略 |
第337条の移動電線及びこれに付属する接地器具 |
被覆又は外装の損傷の有無 |
第339条第1項第3号の検電器具 |
検電性能 |
第339条第1項第3号の短絡接地器具 |
取付金具及び接地導線の損 傷の有無 |
第341条から第343条までの絶縁用保護具 |
ひび、割れ、破れその他の 損傷の有無及び乾燥状態 |
第341条及び第342条の絶縁用防具 | |
第341条及び第343条から第345条までの活線作 業用装置 | |
第341条、第343条及び第344条の活線作業用器具 | |
第346条及び第347条の絶縁用保護具及び活線作業 用器具並びに第347条の絶縁用防具 | |
第349条第3号及び第570条第1項第6号の絶縁用 防護具 |